米国の連邦法には退職金の支払い義務がありません
日本や韓国の退職金と違い、米国の連邦公正労働基準法(FLSA)には解雇手当の支払い義務がありません。解雇手当は会社の規定・雇用契約・労働協約や退職合意(separation agreement)に基づいて支払われ、勤続1年あたり1〜2週分の給与がよくある方式です。ただし、メイン州のように、従業員100人以上の事業所の閉鎖や大量解雇の際に、勤続3年以上の労働者へ勤続1年あたり1週分の解雇手当を支払うよう法律で定めている州もあります。
従業員100人以上の会社の事業所閉鎖・大量解雇には、WARN法が60日前の書面通知を求めています。通知なしに解雇すると、不足した通知期間(最大60日)の賃金と福利厚生を支払う義務が生じることがあります。ニューヨーク州やカリフォルニア州のように、より厳しい州独自のWARN法がある州もあります。
解雇手当を受け取る代わりに法的な請求権を放棄する合意書に署名することがよくあります。40歳以上の労働者が年齢差別の請求権を放棄する場合、検討期間(通常21日、集団解雇では45日)と署名後7日間の撤回期間が法律で保障されています。
計算方法
IRSは解雇手当を補足賃金(supplemental wages)として扱います。会社が通常の給与と別に支払う場合、連邦所得税を定率(22%)で源泉徴収でき、この計算機はこの方式で計算します。
解雇手当 = 週給(年間基本給 ÷ 52)× 勤続1年あたりの週数 × 勤続年数 連邦源泉徴収 = 解雇手当 × 22%(その年の補足賃金累計$1,000,000超の部分は37%) 社会保障税 = max(0, min(解雇手当, $184,500 − 今年受け取った賃金)) × 6.2% メディケア税 = 解雇手当 × 1.45% + 解雇手当のうち今年の賃金合計が$200,000を超える部分 × 0.9% 州の源泉徴収 = 解雇手当 × 入力した州の税率 手取り = 解雇手当 − 源泉徴収の合計
2026年の源泉徴収の基準
| 項目 | 2026年の基準 |
|---|---|
| 連邦の補足賃金の定率源泉徴収 | 22% |
| その年の補足賃金$1,000,000超の部分 | 37%(W-4にかかわらず義務) |
| 社会保障税 | 6.2%、年間賃金$184,500まで |
| メディケア税 | 1.45%、上限なし |
| 追加メディケア税 | 0.9%、年間賃金$200,000超の部分 |
| 州の源泉徴収 | 州ごとに異なる(補足賃金の定率を定めている州もある) |
IRS Publication 15(2026)。州の源泉徴収率は各州の税務当局の案内を確認してください。
計算例:勤続6年、年収$78,000
勤続1年あたり2週分、今年すでに受け取った賃金$60,000、州の源泉徴収5%と仮定します。
源泉徴収の合計は$6,237で、解雇手当の約34.7%です。この人の実際の連邦限界税率が12%なら確定申告で一部が戻り、24%以上なら追加で納めることがあります。計算機の初期値(州の源泉徴収0%)では$12,663です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 週給($78,000 ÷ 52) | $1,500 |
| 解雇手当($1,500 × 2週 × 6年) | $18,000 |
| 連邦源泉徴収22% | −$3,960 |
| 社会保障税6.2% | −$1,116 |
| メディケア税1.45% | −$261 |
| 州の源泉徴収5% | −$900 |
| 手取り | $11,763 |
注意点
- 源泉徴収は前払いです。最終的な税額は、その年のすべての所得を合わせてForm 1040で申告するときに決まります。
- 会社が解雇手当を通常の給与と合算して支払う場合(aggregate方式)は、W-4に基づく源泉徴収表を使うため金額が変わります。
- 未消化の有給休暇(PTO)の精算やボーナスも補足賃金です。和解金のうち身体的損害の賠償など一部の項目は課税の扱いが異なることがあります。
- 解雇手当は失業給付の受給時期や金額に影響することがあり、ルールは州ごとに異なります。
- 会社の健康保険はCOBRAで通常最長18か月継続できますが、保険料の全額と最大2%の管理費を本人が負担します。
よくある質問
解雇手当にも社会保障税・メディケア税はかかりますか?
はい。解雇手当は賃金なのでFICAの対象です。今年の賃金がすでに$184,500に達していれば社会保障税はそれ以上かからず、メディケア税は上限なくかかります。
22%は多すぎませんか?
22%は定率にすぎず、実際の税率とは異なることがあります。実際の税率が低ければ翌年の確定申告で差額が還付され、高ければ追加で納めます。
解雇手当を翌年に受け取ると税金は変わりますか?
支払われる年が変わると、その年の所得合計と税率区分が変わるため、税額の合計が変わることがあります。支払い時期は会社との合意事項なので、税務の専門家と一緒に確認してください。
WARN法はすべての解雇に適用されますか?
いいえ。従業員100人以上の会社の事業所閉鎖や一定規模以上の大量解雇に適用されます。個別の解雇には適用されず、州法が別にある場合もあります。