商業ローン金利 = LPR + 上乗せ(加点)
銀行の住宅ローン金利は「ローン・プライム・レート(LPR)」に銀行ごとの上乗せを加えて決まります。LPRは毎月20日(休日なら翌営業日)に公表され、住宅ローンは通常5年超のLPRを基準にします。
上乗せはマイナスのこともあります。2024年5月に全国一律の住宅ローン金利の下限が撤廃されてからは都市と銀行ごとに決めています。中国人民銀行によると、2026年6月に新たに実行された個人住宅ローンの金利は年約3.1%で、5年超LPR(3.5%)を下回りました。実際の金利は都市・銀行・初めての住宅かどうかで異なります。
契約時に決めた上乗せは原則そのままで、LPRが変わると「金利見直し日(重定価日、通常は毎年1月1日またはローン契約の応当日)」に新しいLPRが反映されます。そのためLPRが下がっても、月々の返済額が減るのは次の見直し日からです。
| 適用時期 | 1年LPR | 5年超LPR |
|---|---|---|
| 2024年2月 | 3.45% | 3.95% |
| 2024年7月 | 3.35% | 3.85% |
| 2024年10月 | 3.10% | 3.60% |
| 2025年5月〜2026年10月公表分 | 3.00% | 3.50% |
2025年5月の引き下げ以降、2026年10月20日の公表まで17回連続で同じ値です。毎月の公表で変わることがあるので最新値を確認してください。
積立金ローンと組合せローン
住宅積立金を一定期間納めた人は、金利の低い積立金ローンを利用できます。限度額は都市ごとに定められ、納付期間・口座残高・所得によって変わります。
積立金ローンの限度額だけでは足りない場合、残りを商業ローンで補う「組合せローン(組合貸款)」を使います。例えば100万元を積立金60万元(2.6%)と商業ローン40万元(3.05%)に分け、30年の元利均等で返すと、月々の返済額は約2,402 + 1,697 = 4,099元です。
| 区分 | 5年以下 | 5年超 |
|---|---|---|
| 初めての住宅 | 2.1% | 2.6% |
| 2軒目の住宅 | 2.525%以上 | 3.075%以上 |
2025年5月8日から適用された金利です。それ以前に借りた積立金ローンには、多くの都市で2026年1月1日から新金利が適用されました(細則は都市により異なります)。
元利均等(等額本息)と元金均等(等額本金)
元利均等は毎月同じ額を返し、元金均等は毎月同じ元金に残高の利息を加えて返します。元金均等は最初の負担が大きいものの、元金が早く減るため総利息が少なくなります。
元利均等の月返済額 = P × r × (1 + r)^n ÷ ((1 + r)^n − 1) 元金均等の月返済額 = P ÷ n + 残りの元金 × r (P = 借入元金、r = 年利 ÷ 12、n = 月数)
| 例(100万元、30年) | 初月 | 最終月 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 商業ローン3.05%、元利均等 | 4,243元 | 4,243元 | 約52.8万元 |
| 商業ローン3.05%、元金均等 | 5,319元 | 2,785元 | 約45.9万元 |
| 積立金2.6%、元利均等 | 4,003元 | 4,003元 | 約44.1万元 |
| 積立金2.6%、元金均等 | 4,944元 | 2,784元 | 約39.1万元 |
金利が30年間変わらないと仮定した例です。実際の商業ローンは見直し日ごとにLPRに合わせて変わります。
繰上返済:期間短縮と返済額軽減
一部を繰上返済するときは、通常「月々の返済額はそのままで期間を短くする」方式と「期間はそのままで月々の返済額を減らす」方式から選びます。同じ額を返しても、期間を短くする方が以後の利息は少なくなります。
繰上返済は銀行のアプリや窓口で申し込み、申し込みが多い時期は予約して待つこともあります。違約金は契約ごとに違うのでローン契約書を確認してください。
繰上返済に使うお金の他の使い道(預金利息、生活防衛資金)と比べて判断するのが一般的です。ローン金利が預金金利より高いほど、繰上返済で減る利息は大きくなります。
| 例:5年後に20万元を繰上返済 | 以後の月返済額 | 残り期間 | 以後の総利息 |
|---|---|---|---|
| 繰上返済しない | 4,243元 | 300か月 | 約38.3万元 |
| 期間短縮 | 4,243元 | 211か月 | 約20.1万元 |
| 返済額軽減 | 3,289元 | 300か月 | 約29.7万元 |
100万元、30年、年3.05%の元利均等で5年(60か月)返済した後、残高約89.0万元から20万元を返す例です。
最低頭金比率と購入規制
- 商業ローンの頭金: 2024年5月に初めての住宅15%、2軒目25%に引き下げられ、続いて2024年9月の通知で初めての住宅・2軒目の区別なく15%以上になりました。都市ごとにこれより高い下限を定めることができます。
- 積立金ローンの頭金: 都市ごとに定められ、初めての住宅で20%前後の都市が多くなっています(都市別、要確認)。
- 認房不認貸: 2023年8月から、購入する都市に住宅がなければ、以前に別のローンを利用していても初めての住宅として扱われるようになりました。
- 購入制限(限購): 多くの都市が購入制限を緩和しましたが、北京・上海・深圳など一部の地域では戸籍や社会保険の納付期間の条件が残っています(2026年基準、要確認)。
既存住宅ローン金利の引き下げ(2023〜2024年)
2023年9月には、既存の初めての住宅のローン金利を銀行と交渉して新規ローンの水準まで下げられるようになりました。
2024年9月29日の中国人民銀行の発表を受け、上乗せがLPR −30bpより高い既存ローン(初めての住宅・2軒目以上とも)は、銀行が2024年10月31日までに一括でLPR −30bp程度に引き下げました。大半は10月25日に申請なしで適用され、平均の引き下げ幅は約0.5ポイントでした。
2024年11月1日からは、借り手が銀行と上乗せ幅や見直し周期を交渉できるようになり、金利差が広がっても借り換えの代わりに調整を求められます。
よくある質問
LPRが下がるとすぐに返済額が減りますか?
いいえ。契約で定めた見直し日(通常は毎年1月1日またはローン契約の応当日)に、その直前のLPRが反映されます。見直し周期は2024年11月から銀行と交渉して変更できます。
積立金ローンは誰でも借りられますか?
多くの都市では、一定期間(例:連続6か月以上)積立金を正常に納めた人に貸し出します。限度額・条件は都市の積立金管理センターの規定によります。
元利均等と元金均等のどちらを選べばよいですか?
最初の数年の返済能力と総利息をあわせて見ます。元金均等は初期負担が大きい代わりに総利息が少なく、元利均等は毎月の額が同じで計画を立てやすい方式です。
外国人も中国で住宅ローンを借りられますか?
中国で働き購入資格を持つ外国人に貸し出す銀行もありますが、収入証明・滞在期間などの条件は銀行と都市ごとに異なります。