総合所得と課税所得

中国の居住者(中国に住所がある人、または1年に183日以上滞在した人)は、次の4種類の所得を1年単位で合算し「総合所得」として納税します。

課税所得 = 年間総合所得 − 60,000元(基礎控除) − 専項控除(五険一金の個人負担分) − 専項付加控除 − その他の控除(個人年金など) 税額 = 課税所得 × 税率 − 速算控除額

総合所得の税率表(年間)

年間課税所得税率速算控除額
36,000元以下3%0
36,000超〜144,000元10%2,520
144,000超〜300,000元20%16,920
300,000超〜420,000元25%31,920
420,000超〜660,000元30%52,920
660,000超〜960,000元35%85,920
960,000元超45%181,920

2018年改正(2019年1月施行)「個人所得税法」の税率表で、2026年も同じです。

7つの専項付加控除

控除は「個人所得税」アプリで届け出ると、会社が毎月の源泉徴収に反映します。毎年12月に翌年分の控除情報を確認(確認手続き)しないと引き継がれません。

項目控除額主な条件
3歳未満の乳幼児の養育子ども1人につき月2,000元父母の一方が全額、または各半分
子女教育子ども1人につき月2,000元満3歳から博士課程まで、分け方は同上
継続教育学位課程は月400元(最長48か月)、資格は取得した年に3,600元国内の学位・職業資格
重大疾病の医療費自己負担が年15,000元を超える部分、最大80,000元年度確定申告で控除
住宅ローン利息月1,000元(最長240か月)本人・配偶者の初めての住宅ローン
住宅家賃月1,500 / 1,100 / 800元勤務都市に持ち家がない場合、ローン利息控除と併用不可
高齢者の扶養一人っ子は月3,000元、兄弟姉妹は分担し1人最大1,500元60歳以上の父母など

乳幼児の養育・子女教育・高齢者の扶養は2023年1月から引き上げられた額(国発〔2023〕13号)、その他は国発〔2018〕41号の基準で、2026年も同額です。家賃は直轄市・省都など1,500元、市轄区の戸籍人口100万人超の都市1,100元、それ以外800元です。

累計源泉徴収 — なぜ年末に向けて税金が増えるのか

会社は毎月「その年の1月から今月まで」の累計所得に年間税率表を当てはめて税額を求め、既に徴収した税金を差し引いて今月の税額を決めます(累計預扣法)。累計所得が税率の区分を超えた月から月々の税金が急に増えるのはこのためです。

今月の源泉徴収額 = (累計課税所得 × 税率 − 速算控除額) − 既徴収税額 累計課税所得 = 累計所得 − 5,000 × 月数 − 累計専項控除 − 累計専項付加控除

月累計課税所得累計税額その月の税額
1月9,000270270
4月36,0001,080270
5月45,0001,980900
12月108,0008,280900

例:月給20,000元、五険一金の個人負担4,000元、子ども1人の控除2,000元なら、毎月の課税所得は9,000元です。累計が36,000元を超える5月から税率が3%から10%に上がり、月の税額が270元から900元になります。年間合計8,280元は年間税率表で直接計算した値と同じです。

年度確定申告(年度汇算)— 3月1日〜6月30日

2社から同時に給与を受け取ったり、年内に転職したりすると、各社が月5,000元の基礎控除を適用して少なめに徴収することがあり、精算時に追加納付が生じやすくなります。

年末賞与の分離課税と外国人の特例

年末賞与などの「年間一時賞与(全年一次性奖金)」は、2027年12月31日まで総合所得に合算せず別に計算できます(財政部・税務総局公告2023年第30号)。賞与を12で割った額で下の月額税率表の区分を探し、賞与全体にその税率を掛けて速算控除額を差し引きます。合算と分離は選択でき、分離課税は1年に1回だけ使えます。

賞与 ÷ 12税率速算控除額
3,000元以下3%0
3,000超〜12,00010%210
12,000超〜25,00020%1,410
25,000超〜35,00025%2,660
35,000超〜55,00030%4,410
55,000超〜80,00035%7,160
80,000元超45%15,160

例:賞与36,000元なら36,000 × 3% = 1,080元。36,001元だと10%の区分になり3,600.1 − 210 = 3,390.1元で、1元多くもらうと税金が2,310元増える区分の境目があります。

よくある質問

年収6万元以下なら税金はかかりませんか?

総合所得から基礎控除6万元と五険一金などを引いて残りがなければ税額は0です。ただし労務報酬は支払時に源泉徴収されるため、精算すれば戻ってきます。

賞与は分離課税と合算のどちらが税金が少ないですか?

人によって違います。給与の課税所得が低ければ合算、高ければ分離の方が少なくなることが多いです。年度確定申告の際にアプリで両方を切り替えて比べられます。

確定申告をしないとどうなりますか?

追加納付の対象なのに期限までに行わないと、延滞金(1日0.05%)や罰金が科されることがあり、納税信用の記録にも残ります。還付の対象でも申請しなければ戻りません。

外国人も同じ方法で精算しますか?

中国の居住者に該当すれば同じ方法で精算します。非居住者は所得ごとに源泉徴収され、年度確定申告の対象ではありません。

計算の基準と出典

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