賃貸契約の基本:押一付三
- 押一付三: 敷金1か月分を預け、家賃を3か月分ずつ前払いします。契約時に4か月分をまとめて支払います。賃貸プラットフォームや家主によっては月払い(押一付一)もあります。
- 仲介手数料: 仲介業者を通すと通常は家賃1か月分前後です。料率と誰が払うかは都市・業者によって異なります。
- 住宅賃貸条例: 2025年9月15日施行の「住宅賃貸条例」により、契約は実名で行い、敷金がある場合は金額・返還時期・差し引く事由を契約書に記載しなければならず、契約に定めた場合を除き、正当な理由なく敷金を差し引くことはできません。
- 契約の届出(備案): 家主が賃貸契約を住宅管理部門に届け出ます(無料)。家主が届け出ない場合は借り手が自分で届け出ることもできます。届出の証明は都市によって居住証や子どもの入学手続きなどに使われます。
借り手が受けられる優遇
勤務都市に持ち家がなければ、家賃について個人所得税の「住宅家賃」専項付加控除を受けられ、住宅積立金を引き出して家賃に充てることもできます。
積立金で家賃を払う「賃借引き出し」は都市ごとの限度額の範囲で定期的に引き出せ、条件と限度額は都市の積立金管理センターの規定によります。
| 都市区分 | 控除額(月) | 例 |
|---|---|---|
| 直轄市・省都・計画単列市など | 1,500元 | 北京、上海、深圳、成都 |
| 市轄区の戸籍人口100万人超の都市 | 1,100元 | その他の大都市 |
| 市轄区の戸籍人口100万人以下の都市 | 800元 | 中小都市 |
夫婦が同じ都市で働く場合はどちらか一方だけが受けられます。また本人と配偶者は、同じ年に住宅ローン利息控除と家賃控除を分けて受けることもできません。
住宅を買うときの費用
| 項目 | 基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 頭金(首付) | 商業ローンは最低15% | 都市によってはより高い |
| 契税 | 家族唯一の住宅:140㎡以下1%、超1.5% / 2軒目:140㎡以下1%、超2% | 2024年12月1日から、北京・上海・広州・深圳も同じ。それ以外は地域の一般税率(3〜5%) |
| 維持修繕基金 | 地域ごとに㎡当たりの金額または価格の一定割合 | 主に新築購入時に納付 |
| 仲介手数料 | 中古住宅は通常価格の1〜3%前後 | 都市・業者による |
| 管理費(物業費) | 毎月㎡当たり数元程度 | 団地による |
| 増値税(売り手) | 2年以上保有した住宅の売却は免除 | 2024年12月から4大都市を含め全国同じ |
契税は財政部・税務総局・住宅都市農村建設部公告2024年第16号に基づきます。家族の範囲は本人・配偶者・未成年の子です。
賃料利回り(租售比)で見る市場
賃料利回りがローン金利より低いと、同じ住宅を借りる側の毎月の支出が、買う側の利息負担より小さくなりやすくなります。中国の大都市ではこの比率が住宅ローン金利(3%前後)を下回る地域が少なくありません。
ただし買う側は元金返済が資産として積み上がり住宅価格の変動の影響を受け、借りる側は家賃の値上げや引っ越し費用の影響を受けるため、毎月の費用だけで結論を出すのは難しいものです。
賃料利回り = 月額家賃 × 12 ÷ 住宅価格 例)7,000 × 12 ÷ 3,000,000 = 2.8%
同じ住宅で毎月の費用を比較(例)
前提:90㎡の新築マンション、価格300万元、同じ住宅の家賃月7,000元、初めての住宅、頭金30%、商業ローン210万元・30年・年3.05%の元利均等、預金金利年1.5%、管理費㎡当たり月3元、限界税率10%。
この例では両者の毎月の費用はほぼ同じです。住宅価格が1%下がれば年3万元(月2,500元)の損失、1%上がれば同額の利益になるため、価格の見通しと住む期間が結果を大きく左右します。
ローン利息は年々減る一方で家賃は上がることがあり、金利が変われば買う側の費用も変わります。ご自身の条件で計算し直してみるとよいでしょう。
| 項目 | 賃貸で住む | 買って住む |
|---|---|---|
| 最初に必要なお金 | 敷金7,000 + 家賃3か月21,000 + 仲介手数料7,000 = 35,000元(敷金は戻る) | 頭金900,000 + 契税30,000 + 維持修繕基金(例:2%)60,000 = 990,000元 |
| 毎月出ていくお金 | 家賃7,000元 | ローン返済8,910元(初月の利息5,338・元金3,572)+ 管理費270元 |
| 戻ってこない費用 | 家賃7,000元 | 利息5,338 + 管理費270 + 初期資金の預金利息の機会費用1,238 = 6,846元 |
| 税の効果 | 家賃控除 月1,500元 → 約150元 | ローン利息控除 月1,000元 → 約100元 |
| 毎月の実質費用(初月ベース) | 約6,850元 | 約6,750元(価格変動を除く) |
すべての数字は説明のための例です。元金返済分は資産として積み上がるため費用から除き、価格変動・修繕費・引っ越し費用は含めていません。仲介手数料・契税・維持修繕基金などの一時的な費用も毎月の費用に按分していません(買う側は初期資金の預金利息の機会費用のみ反映)。
外国人の住宅購入
2015年の住宅都市農村建設部などの通知(建房〔2015〕122号)により、中国で働く、または学ぶ外国人は、実際の必要に見合う自己居住用の商品住宅を購入できます。購入制限のある都市では、一定期間の社会保険・所得税の納付など現地の条件に従う必要があります。
2010年の規定(建房〔2010〕186号)により、外国人個人は通常、居住用の1軒に限られます(2026年基準、要確認)。2025年9月の国家外貨管理局の通知(匯発〔2025〕43号)で、購入契約書で先に代金を両替できるなど銀行の手続きは簡素化されましたが、外貨管理局は購入資格そのものは変わらないとしています。
よくある質問
家主が敷金を返してくれないときは?
「住宅賃貸条例」により、契約に定めた場合を除き、正当な理由なく敷金を差し引くことはできません。契約書と部屋の状態の写真・動画を残しておき、話し合いがつかなければ地域の住宅管理部門や12345ホットラインに申し立てるか、調停・訴訟を利用できます。
賃貸契約を届け出ないと家賃控除を受けられませんか?
控除はアプリで賃貸情報(家主、住所、期間)を申告して受けるもので、契約の届出は必須条件ではありません。ただし税務署の確認に備えて契約書を保管しておく必要があります。
住宅積立金で頭金を払えますか?
多くの都市では購入後に購入代金として積立金を引き出せ、一部の都市では頭金の支払いに直接使うことを認めています。都市の積立金管理センターの規定を確認してください。
外国人も家賃控除を受けられますか?
中国の居住者であれば受けられます。ただし会社から非課税の住宅補助を受けることを選んだ場合は、家賃控除と併用できません。