計算方法
給与からはまず社会保険料が引かれ、所得税は年末調整で1年分の税額に精算されます。住民税はこの年の所得をもとに翌年6月から天引きされます。
社会保険料 = 標準報酬月額 × 料率 ÷ 2(健康・介護・支援金・厚生年金)+ 賃金 × 0.5%(雇用保険) 給与所得 = 年収 − 給与所得控除(最低74万円) 課税所得(所得税)= 給与所得 − 社会保険料 − 基礎控除(104万円など)− 配偶者控除・扶養控除 所得税 = 速算表の税額 × 102.1%(復興特別所得税) 住民税 =(給与所得 − 社会保険料 − 基礎控除43万円 − …)× 10% − 調整控除 + 均等割・森林環境税5,000円 手取り = 年収 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税
- 標準報酬月額: 月給を等級表に当てはめた金額です。健康保険は5.8万〜139万円(50等級)、厚生年金は8.8万〜65万円(32等級)で、高収入の人は上限で頭打ちになります。
- 賞与: 1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に同じ料率をかけます。上限は健康保険(介護保険・支援金を含む)が年度累計573万円、厚生年金が1か月150万円(同じ月の賞与は合算)です。
- 年齢: 40〜64歳は介護保険料1.62%が加わり、65歳からは介護保険料が給与から引かれなくなり(市区町村が別に徴収)、70歳からは厚生年金保険料がかかりません。
2026年の税率と保険料率
- 基礎控除(2026年分): 合計所得489万円以下は104万円、655万円以下は67万円、2,350万円以下は62万円(令和8年度税制改正、2026年12月の年末調整から反映)
- 給与所得控除: 最低74万円(2026・2027年分。住民税も2026年の所得にかかる令和9年度分から同じ)。収入220万円超は30%+8万円、20%+44万円、10%+110万円、上限195万円
- 健康保険: 協会けんぽの都道府県別料率 9.21%(新潟)〜10.55%(佐賀)、東京は9.85%(労使折半)
- 介護保険・支援金: 介護保険 1.62%(40〜64歳)、子ども・子育て支援金 0.23%(2026年4月分から新設)
- 厚生年金・雇用保険: 厚生年金 18.3%(折半)、雇用保険の労働者負担 0.5%(2026年4月から)
- 住民税: 所得割10%(市町村6%・道府県4%)、均等割4,000円+森林環境税1,000円、基礎控除43万円(令和9年度分も据え置き)
| 課税所得(円) | 税率 | 控除額(円) |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 0 |
| 195万〜330万円未満 | 10% | 97,500 |
| 330万〜695万円未満 | 20% | 427,500 |
| 695万〜900万円未満 | 23% | 636,000 |
| 900万〜1,800万円未満 | 33% | 1,536,000 |
| 1,800万〜4,000万円未満 | 40% | 2,796,000 |
| 4,000万円以上 | 45% | 4,796,000 |
所得税の速算表(国税庁 No.2260)。税額に2.1%の復興特別所得税が加わります。
計算例:東京都・30歳・月給30万円+賞与60万円
賞与は30万円を年2回、配偶者・扶養親族なしとします。毎月の給与から引かれる社会保険料は44,070円(健康保険14,775円・支援金345円・厚生年金27,450円・雇用保険1,500円)です。
| 項目 | 年間(円) |
|---|---|
| 年収(額面) | 4,200,000 |
| 健康保険料 | −206,850 |
| 子ども・子育て支援金 | −4,830 |
| 厚生年金保険料 | −384,300 |
| 雇用保険料 | −21,000 |
| 所得税(復興特別所得税を含む) | −64,400 |
| 住民税 | −189,700 |
| 年間の手取り | 3,328,920 |
給与所得292万円、所得税の課税所得126.3万円(税率5%)、住民税の課税所得187.3万円。月平均の手取りは約277,410円(手取り率79.3%)です。
注意点
- 住民税は前年の所得にかかります。社会人1年目は天引きされず、2年目の6月から始まります。この計算の住民税は、2026年の所得に対して2027年6月から納める額です。
- 2026年分の基礎控除・給与所得控除の引上げは2026年12月1日施行のため、11月までの毎月の源泉徴収は改正前の基準で、差額は12月の年末調整で戻ってきます。
- 健康保険組合(健保組合)は料率が異なるので「直接入力」で入れてください。通勤手当は保険料の計算には含まれますが、所得税は一定額まで非課税です(この計算では簡略化)。
- 生命保険料控除・iDeCo・ふるさと納税・住宅ローン控除、16歳未満の子ども(住民税の非課税判定)、健康保険の1〜2月分と雇用保険の1〜3月(0.55%)の旧料率は反映していません。
- 給与収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいる場合は、(収入 − 850万円)× 10%(最大15万円)の所得金額調整控除を受けられます。この計算機では特定扶養親族(19〜22歳)を入力したときに反映します。
よくある質問
手取りは年収の何%くらいですか?
年収300万〜600万円台ならおおむね75〜80%です。収入が高くなると税率が上がる一方、標準報酬月額の上限があるため保険料の割合はむしろ下がります。
「103万円の壁」はどう変わりましたか?
2026年分は給与所得控除の最低74万円と基礎控除104万円を合わせ、給与収入178万円まで所得税がかかりません(合計所得489万円以下)。住民税は基礎控除が43万円のため、もっと低い収入からかかります(単身・1級地なら給与収入119万円超から)。
40歳になると手取りが減るのはなぜですか?
40歳に達した月(誕生日の前日が属する月)から介護保険の第2号被保険者となり、健康保険料に1.62%(本人負担0.81%)が加わるためです。
子ども・子育て支援金とは何ですか?
2026年4月分から健康保険料と一緒に徴収される新しい負担で、協会けんぽは0.23%(本人負担0.115%)です。社会保険料控除の対象になります。