株が下がると、多くの人が「少し買い足して平均単価を下げよう」と考えます。ナンピンは上手に使えば回復の時期を早める道具になりますが、使い方を誤ると一つの銘柄にお金が縛られ、損失が大きくなる原因になります。効果とリスクを数字で一緒に見てみましょう。
ナンピンが実際に変えるもの
ナンピンをすると二つのことが変わります。
- 平均単価が下がります。そのため株価が少し反発しただけでも、元値に届きやすくなります。
- その銘柄に入れたお金が増えます。そのため株価がさらに下がると、損失もより速く大きくなります。
一方で変わらないものもあります。ナンピンをする瞬間までにすでに出た損失額はそのままです。平均単価が下がって損益率の数字が良く見えるのは、分母(投資元本)が大きくなったからです。
平均単価の落とし穴:数字で見る
70,000ウォンで10株(70万ウォン)買ったところ、株価が55,000ウォンに下がりました。現在の損失は15万ウォン(−21.4%)です。ここで55,000ウォンで10株買い足すと、平均単価は62,500ウォンになります。
| その後の株価 | ナンピンしない(10株) | ナンピンする(20株) |
|---|---|---|
| 55,000ウォン(そのまま) | −15万ウォン(−21.4%) | −15万ウォン(−12.0%) |
| 62,500ウォン(反発) | −7.5万ウォン(−10.7%) | 0ウォン(元値) |
| 70,000ウォン(回復) | 0ウォン(元値) | +15万ウォン(+12.0%) |
| 45,000ウォン(さらに下落) | −25万ウォン(−35.7%) | −35万ウォン(−28.0%) |
株価がそのままなら損失額は同じ15万ウォンなのに、損益率だけが−21.4%から−12.0%へ良く見えます。そして株価がさらに下がると、損益率はそれほど悪く見えなくても、実際の損失額はより大きくなります。ナンピンの結果は、結局その後株価が上がるかどうかにかかっています。
自分の銘柄で直接計算してみましょう
平均単価を計算する買い増し前のチェックリスト
- なぜ下がったのか知っていますか?市場全体が一緒に下がったのか、この会社だけに業績悪化や悪材料が起きたのかを区別する必要があります。会社そのものの問題なら、安く見える価格がさらに安くなることもあります。
- 最初に買った理由はまだ有効ですか?買うときに期待した業績・成長性・業況がそのままなら、ナンピンを検討できます。理由がなくなったなら、平均単価を下げるより比率を減らすほうが正しいかもしれません。
- ナンピン後のこの銘柄の比率はいくらですか?投資資金全体の中で一つの銘柄が占める比率が大きくなりすぎると、その銘柄一つが口座全体を左右することになります。
- 追加で入れるお金は余裕資金ですか?生活費、緊急資金、近く使う予定のお金でナンピンをすると、肝心なときに損失を確定させて売らなければならないかもしれません。
- 次の計画はありますか?今回買ってもさらに下がったらどうするか、どの価格で損切りするかを前もって決めておかないと、感情的に買い続けることになります。
分割買いの計画の立て方
ナンピンの問題はほとんどが「計画なしに」行うときに生じます。最初に買うときから分けて買う計画を立てておけば、下がったときの買い増しは感情ではなく計画の一部になります。
1回目:今の価格で100万ウォン買う
2回目:1回目の価格より10%下がったら100万ウォン買い増す
3回目:1回目の価格より20%下がったら最後の100万ウォンを買う
損切りの基準:3回目の買い後に平均単価よりさらに15%下がるか、買った理由がなくなったら整理
1回目を50,000ウォンで買ったなら、2回目は45,000ウォン、3回目は40,000ウォンです。金額基準で同じお金を分けて買うと、安い価格ほど多くの株を買うことになり、3回とも買った後の平均単価は約44,628ウォンになります。このように数字を前もって決めておけば、下落相場でも揺らがずに計画どおり動けます。
買い上がり(ピラミッディング)はいつ使うか
買い上がりは、最初の判断が当たって株価が上がっているとき、その判断に投資資金をさらに乗せる方法です。平均単価は上がりますが、「勝っている銘柄」の比率を増やすという点で、負けている銘柄にお金を足すナンピンとは逆の性格を持ちます。ただし高値近くで大きく買うと小さな調整でも利益が消えることがあるので、やはり分けて買うのがよいでしょう。
避けるべきナンピン
- 借金でするナンピン:信用取引や未収取引でナンピンをすると、株価がさらに下がったときに担保不足で証券会社が強制的に売ってしまう反対売買が起こることがあります。望まない価格で損失が確定します。
- 終わりのないナンピン:決めた回数や金額なしに下がるたびに買うと、結局一つの銘柄に口座のほとんどが入ってしまいます。
- 元値を取り戻したい一心のナンピン:「元値に戻ったら売る」という気持ちでするナンピンは、判断の基準が会社ではなく自分の買値になった状態です。市場は自分の平均単価を知りません。
この記事は一般的な投資の原理を説明するためのもので、特定の銘柄や投資方法を勧めるものではありません。すべての投資判断と結果の責任は投資家本人にあります。